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ころがる

春矢の日記

2024'05.20.Mon
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2012'01.13.Fri
今日は深夜から、進撃クラスタのねむりさんとななこさんとリレー小説やってましたー!

まだおわってないんですが、とりあえずログまとめ。

春矢→ななこさん→ねむりさん

の順で書いてます。

続きはツイッターの方で交換ノート形式で続けて行こうかな、と!

めっちゃ楽しかった、またリヴァエレについて語りたい……!

一次創作と二次創作、兼用ブログだったけど、内容が内容になったから一次創作サイトからリンク外しちゃったwww

春矢→ななちゃん→ねむりん(次、ななちゃん)

兄を待つ間、エレンは手持無沙汰にクーラーの効いた部屋で横になっていた。日はそろそろ傾きかけている。カーテンの隙間から洩れる明かりがまぶしい。低いテーブルに置いたコップの中の氷が溶け、からりと音を立てた。外はむっとするほど暑く、エレンは昼からずっとこの部屋を出ないでいる。

今日先生に出された宿題を解かなければと思うのだが、なかなか意欲が湧かない。兄が帰ってきたら教えてもらおうとランドセルから一枚のプリントを取り出す。その際、ずきりとわき腹が痛んだ。

シャツの裾をめくり脇腹を見遣れば、痣になっていた。打ち身だろうそれは昨日兄に蹴られたものだった。兄は手加減を知らない。短気な兄は、自分の気に入らないことがあればすぐに手や足を出す。身体のいたるところに痣を作っていたエレンだったが、それでも、兄のことが好きだった。

容赦なく実の弟を蹴りつける兄だが、エレンがひどい怪我をした後はいたわる。さらに、自分以外の人物がエレンを傷つけた時の反応は尋常ではない。以前、エレンは学校の帰り道、不良にからまれたことがあった。兄はたまたまそこに通りがかったわけだが、不良たちは半殺しではすまなかった。

地に伏し動かなくなった不良たち。地面には血痕が飛び散り、幼いエレンは恐怖で震えた。兄はその内の一人を踏みつけながら、「躾に一番効くのは痛みだ。」と吐いた。その言葉通り、彼にとっての暴力とは教育の一貫なのだろう。

その教育対象は弟にも然り。不良共程ではないが、エレンにも躾と称し、暴力を振るうことは多々ある。日常茶飯事だ。エレンは暴力から逃げようとはしなかった。だって悪いのは自分だから。自分が何か悪いことをしたせいで、兄は自分を殴る。ごめんなさいと謝れば兄は満足げに頭を撫でてくれる。抱きしめてくれる。いい子でいよう。兄に優しくされる度、そう思っていた。

エレンは痛みをこらえる。そしてテーブルの上にプリントを乗せると、扉の方へと首を向けた。そろそろ兄が帰ってくるころだろう。玄関の方で、ガチャリと扉の開く音が聞こえた。

「……ただいま。」次に兄の声が部屋まで届く。エレンは一瞬今の状況に違和感を覚えた。兄がここに入ってきていいものか。机に置かれたプリントは白いままだが、兄が怒ってくれるか分からない。そう考えた所で、エレンははっとした。何を考えているんだろう自分は。居間に兄が現れたのに気付き、急いでおかえりと告げる。

「なにしてんだ」冷たい声。ぞくりと背中が粟立つのをエレンは感じていた。ああ、不機嫌だ。学校で、何かあったのだろうか。「えっ、あ、あの、」自分で自分が上擦っているのをわかるほど、エレンは緊張していた。こうも不機嫌だと、何が地雷なのかわからない。次の瞬間には蹴られているかもしれない。どきんどきんと高まる心臓。エレンの呼吸が少し、乱れた。「…宿題、わからなく、て」

「小学生のレベルで分かんねえのか」エレンの座っているテーブルへとリヴァイが近づいてくる。「はい、えと……分数の割り算が…」ガッと、わき腹に衝撃がきた。もともとあざになっていたところを狙うように蹴られたのだ。エレンは衝撃を受けるままに、柔らかい絨毯の敷かれた床へと横倒しになる。兄はそのままエレンの腰のあたりへと片足を乗せた。

次いでそれに力を加えられる。「自分でやれ」「う……っ」エレンが見上げた先には、自分を醒めた目で見下ろすリヴァイが居た。エレンは咄嗟に、その足を離そうと手を伸ばす。しかしそれを掴む前に、背中を思い切り蹴られ、その勢いで地面に顔を強打した。たらりと鼻の下を温かいものが流れる。「……何してんだ。あ?」頭上から声が降りるのと同時に髪を引かれたかと思えば、目の前にリヴァイの顔があった。

どろり、と鼻から鮮血が流れる。どくどくと血が流れて止まらない鼻血。急いでエレンは両手で鼻を押さえた。しかし、その血液は綺麗なカーペットに点々と汚した。しまった。眼前のリヴァイがじ、とカーペットを見る。カーペットと、自分を交互に。「エレン。汚すなって言わなかったか?俺の言い付けは守るんじゃねえのか?そんな簡単なことすらできねえのか?てめえはクズだな」

ガッ、ガッ、と、腹や顔面を容赦なく蹴られる。戻しそうになるが、これ以上部屋を汚すわけにはいかないと根性で飲みこんだ。兄は倒れたエレンのわき腹に足を乗せて、エレンがつぶれない程度に力をかける。もともとあざがあった部分だ。鈍痛がエレンを襲う。同時にクーラーの冷たい風が顔に当たり、エレンはふるりと震えた。わき腹の痛みとは別の違和感を下腹部に感じる。
そして、そろりとそこへ持って行った手を、リヴァイが目ざとく見つけて踏みつけた。
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